3.旧石器時代
北海道に最初に人類が住み始めたのはいつのことか、その年代はまだはっきりと分かっていませんが、3万年以上前にさかのぼると推定されています。この時代は現在よりも気温の低い氷期にあたり、海水面が現在よりも低い位置にありました。最も寒冷な時期には130~120mも海水面が低くなったとされています。そうした時期には、北海道はサハリン及び大陸と陸続きになっていました。このため、マンモスなど大陸の動物も、北から渡ってきてすんでいたことが分かっています。
【図 最終氷期の東アジア】
北海道東部には国内有数の大規模な黒曜石原産地があり、この時代の遺跡は黒曜石原産地に近い内陸部に多数残されています。特に、北見市を含む常呂川流域には、上流部の置戸に大規模な黒曜石原産地があったことから数多くの遺跡が分布しています。もっともそれは常呂川の上・中流域までで、下流部にあたる常呂遺跡周辺ではほとんど見つかっていません。数少ない例外が岐阜第二遺跡です。この遺跡では約25,000~24,000年前の石器が出土しています。石器は頁岩と呼ばれる白い石が使われており、黒曜石製石器が中心の常呂川上・中流域の遺跡とは対照的な内容となっています。