10.アイヌ文化
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13世紀以降、擦文文化の生活様式は大きく変化しました。竪穴住居にかわって平地住居が造られ、土器にかわって交易で入手した鉄鍋が使われるようになります。考古学では、この頃を境にアイヌ文化と呼んでいます。ここから数世紀かけて、現代まで伝わるアイヌ文化が発展していきました。
竪穴住居や土器など、目立った証拠を残す遺構・遺物がなくなったことから、発見されているこの時代の遺跡はごく限られていますが、砦であり集会や祭りの場である「チャシ」や、「物送り」の儀礼が行われた「送り場」の跡などが見つかっています。また常呂川河口遺跡では、地下水の作用で腐らずに残ったこの時代の木製品が多数発見されています。