2.史跡「常呂遺跡」と「ところ遺跡の森」


 常呂地域に古い時代の遺跡があることは早くから知られており、19世紀末には何人かの研究者により発掘調査がおこなわれた記録もあります。1957年以降は東京大学の考古学研究室により継続的・組織的な遺跡の調査が行われています。

 1974年には、常呂地域の遺跡のうち特に保存状態が良好な地区が「常呂遺跡」の名称で国の史跡に指定されました。その後、史跡の範囲は追加・拡張され、現在10か所の遺跡、約128haの範囲が史跡として保護されています。

 この「ところ遺跡の森」は「常呂遺跡」の一部、サロマ湖に面した区域を史跡公園として整備したものです。

 史跡「常呂遺跡」の大きな特徴の1つは、その保存状態にあります。遺跡には数百年以上前に残された竪穴住居跡が、現在でも埋まりきらずに多数残されているのです。こうした窪みとなって地表に残る住居跡は史跡全体で約2,700基にのぼります。



 模型にあるように、「ところ遺跡の館」の背後にある台地の上には一面に遺跡が広がっています。模型の中にある窪みは、実際に現在残っている竪穴住居跡を示しています。

 「ところ遺跡の館」に近い区域(模型の中の「4」)に約900年前の擦文時代の集落遺跡、その奥(模型の中央から右側、「5」と「6」の周囲)に広がる区域には約2,000~5,000年前の続縄文~縄文時代の集落遺跡が残されています。「4」の位置に擦文時代の竪穴住居、「6」の位置に続縄文時代の竪穴住居の復元建物があります。